「これから先、より豊かな暮らしをするためにいちばん大切なものは?」 もしもそう問われたとしたら、なんと答えるでしょうか? 『ストレスゼロの伝え方』(木村英一著、CCCメディアハウス)の著者は、それは間違いなく「対話力」だと断言しています。 そしてその理由は、コンサルタントという自身の仕事に関係するのだといいます。 起業家や業界トップ企業の経営者、新入社員、60代のビジネスマンまで、さまざまな人々のトレーニングを行なってきた結果、対話力がないことで「見えない壁」にぶつかって悩んでいる人を数多く見てきたからだというのです。 いっぽう、「対話力の達人」「コミュニケーションの達人」といってもいい人たちにも数多く出会ってきたのだとか。 そういう人たちは、なにか特別なことを話すわけでもないのに、相手の心をしっかりとつかんでしまうそうです。 つまり、そんなたくさんの達人たちと出会い、その対話力を分析する機会にも恵まれてきた著者は、本書を通じて彼らの「伝え方」を公開しているのです。 ちなみに、対話の達人たちが自在にこなしている「対話力を上げる7つの要素」があるのだそうです。 それは、「伝える目的」「伝える方法」「相手」「環境」「印象」「影響力」「自分」。これらを「整える」ことで、対話力は格段にレベルアップするという考え方です。 きょうは「印象」に関する章のなかから、ひとつのトピックを抜き出してみたいと思います。 ■重要なのは「動く5%」! 私たちのDNAのなかに、動物だったころの記憶が刻み込まれているという話は有名です。 事実、私たちは、動くものがあるとその対象に意識を集中させてしまうもの。それは、持って生まれた記憶によるものだということです。 ところで、話すときに手を動かすクセのある人がいます。ちなみに手の大きさは、体全体からするとせいぜい5%程度。 にもかかわらず、他の95%が動いていなかったとしても、残り5%の手が動いただけで、相手の視線はその手に釘づけになってしまうものです。 そして無意識のうちに、動かない95%の方ではなく、動く5%によって相手を判断しようとします。 ■不快に感じさせる動きとは 著者は約700名に対し、対面の印象トレーニングを実施したことがあるそうです。おもしろいのは、その結果、ほぼ100%の確率で人々が無意識に行なった行動があったということ。
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